赤ちゃんが生まれて、体を元の形に戻したいと思っているあなたに、起き上がり運動についてお話ししましょう。産後2ヶ月、起き上がり運動を行うことは危険という人もいます。本当にダメなのでしょうか?
起き上がり運動のリスク
一般的に、産後すぐの起き上がり運動は避けるべきと言われています。その理由は、腹筋や腰に負担がかかること、腹直筋離開幅の増大などがあります。特に帝王切開で出産したママは、腹筋にダメージがあるかもしれないので注意が必要です。
でも、待ってください。それでも安全にできる方法があります。
それでも安全に腹筋運動をできる?
産後の腹筋運動が危険だという理由がいくつかあります。これらのリスクを適切に管理して、悪化を回避することができれば、起き上がり運動は可能です。以下、そのポイントを詳しく解説します。
1. 腹筋に負担
帝王切開の場合、皮膚の傷や腹筋が治癒しているかを確認する必要があります。通常であれば、産後2ヶ月もあれば傷が治ります。運動中に傷の周辺に痛みがなければ、起き上がり運動を始めることができます。
仮に傷の周囲に痛みがあっても、皮下組織の癒着をリリースすることで、多くの場合、痛みは解消されます。
筋損傷が治癒したかどうかの判断基準として、圧痛、収縮時痛、伸張時痛がないかをチェックします。これらの症状がなければ、筋損傷は治癒したと考えて良いでしょう。
2. 腹直筋離開幅の拡大
安全かどうかを判断するには、離開部に指を入れて起き上がり運動を途中までしてもらい、実際に離開幅が広がるか狭まるかを調べます。離開幅が広がらない場合、安全に起き上がり運動を進めることができます。
離開幅が広がる場合はどうしましょうか? 起き上がり運動を行う際、腹直筋を外側に開く力を抑えることが大切です。
実は起き上がるために最も強く働く腹直筋は,それ自身の収縮によって離開幅を広げる作用を持っていません。離開幅を広げるのは、外側にある外腹斜筋や内腹斜筋の活動です。このため、離開幅が広がらないように、内腹斜筋腱膜と腹直筋外膜をリリース、腹直筋を十分に内側に寄せておくと、この問題は解決されます。
3. 腰に負担
妊娠中に腰に負担がかかっている場合、腰椎前弯を解消することで、起き上がり運動が楽になります。体育座りで腰を丸めることができれば、腰への負担を軽減できます。
具体的には、組織間リリースによって腰方形筋や脊柱起立筋、胸腰筋膜の緊張を和らげ、腰の柔軟性を取り戻すことが大切です。
また、起き上がるときに骨盤の後ろの関節(仙腸関節)や尾てい骨に痛みが生じることがあります。このような場合は,起き上がり運動を行う前に、これらの痛みの治療を済ませておくことが重要です。
実施手順
これらのポイントをクリアしたら、体育座りの状態から徐々に起き上がり運動を始めることができます。
無理をせず、自分の体をよく観察しながら進めてください。夜中の授乳時にも、起き上がりが楽になるでしょう。
ウエストを細くしたいママへ
起き上がり運動はウエストを細くする効果はありません。
ウエストを取り戻すためには、腹横筋を収縮させるドローインなどのエクササイズをおすすめします。風車10秒間のドローインは、お腹をへこませ、ウエストを引き締める効果が期待できます。
まとめ
産後の体はデリケートです。無理をせず、自分の体の変化を大切に感じながら、ゆっくりとリカバリーしていきましょう。あなたの健康が、赤ちゃんの健康にもつながっています。
毎日の小さな努力が、美しい未来を作っていく第一歩です。頑張れママ!あなたは素晴らしい、そして毎日が新しいチャレンジです。赤ちゃんと一緒に、健康で幸せな日々を過ごしましょう。