"トイレが近くてつらい..."その膀胱の不快感、根本から改善する方法を知っていますか?
「頻繁にトイレに行きたくなる」「排尿時にピリッとした痛みがある」「下腹部が重苦しい」...こんな症状に悩まされていませんか?特に出産経験のある30~50代の女性に多く見られるこの不快感、実は適切な対処法を知ることで改善できる可能性があります。
なぜ膀胱の違和感が続くのか?
膀胱周辺の不調の原因として考えられるのが、組織間の癒着です。出産や加齢、姿勢の悪さなどによって、膀胱周辺の筋膜や組織が"くっついて"しまい、正常な動きが制限されることがあります。医学的には「間質性膀胱炎」と診断されるケースもあり、日本泌尿器科学会によれば約1,000人に1~5人の割合で発症するとされています。
一般的なアプローチとその限界
医療機関では主に以下の治療が行われます:
- 薬物療法(抗炎症薬や鎮痛剤)
- 食事指導(カフェインや酸性食品の制限)
- 膀胱訓練
しかし、これらの方法では約30%の方が十分な改善を得られないというデータがあります(Clemens JQ et al, 2022)。特に組織の癒着が原因の場合、薬だけでは根本的な解決が難しいことも。
組織の癒着に着目した新しいアプローチ
医療的処置として有効なのが、TUF(経尿道焼灼術)です。内視鏡で確認しながら異常部位を高周波で処理する方法で、約70%の患者さんに改善が見られます(Hillelsohn JH et al, 2023)。ただし、まずは泌尿器科専門医の診断を受けることが不可欠です。
医療検査で異常が見つからなかった場合、組織間の癒着が原因となっている可能性があります。そんな時に役立つのが、専門家による「ファシアケア」です。筋膜や結合組織の癒着を丁寧にリリースすることで、膀胱周辺の動きを改善していきます。
自分でできる対処法の注意点
テニスボールやローラーを使った自己ケアは逆効果になることがあります。強い圧力は癒着を悪化させ、痛みやむくみの原因に。「骨盤矯正」と称するサービスも医学的根拠に乏しい場合があるので注意が必要です。
膀胱の不快感は生活の質を大きく左右します。適切な知識と対処法を知ることで、快適な日常を取り戻しましょう。
参考:日本泌尿器科学会「間質性膀胱炎診療ガイドライン」
Clemens JQ et al. (2022) J Urol
Hillelsohn JH et al. (2023) Urology Practice