ダンサーの身体を理解し、パフォーマンスを最大化する

ダンサーの身体を理解し、パフォーマンスを最大化する

ダンサーは、自分自身の体を最高のパフォーマンスに引き上げるための特別なケアを必要とするアスリートです。その身体は、繊細で、かつ強靭な力を要求され、無理な動きや表現により常に負荷がかかっています。その結果、特に首や腰など、特定の部位に過度なストレスが集中し、怪我や痛みを引き起こすことがあります。

 

ダンサーの後屈制限へのアスリートケア

最近、ある女性ダンサーと共に彼女の体のケアを行いました。彼女は特に後屈の制限に苦しみ、首や腰が痛くなりやすいと訴えていました。

以下のケアを実施しました:

・腹筋群の癒着のリリース

・内臓の癒着のリリース

・首の付け根(食道と星状神経節・頚長筋の間)のリリース

・腕神経叢(脇の下の血管神経)のリリース

・胸郭の可動性改善

・左股関節前外側の癒着のリリース

 

股関節外側

ダンサーの体は激しいトレーニングとパフォーマンスにより過度に負荷を受けるため、時間とともに筋肉や組織が硬化し、癒着を起こすことがあります。特に股関節外側などは,普段の生活の中でも圧迫されて癒着が起こりやすい部位です。

癒着が生じると股関節の可動域が制限され、骨盤が対称に動きにくくなり、背骨の動きにも変化が生じます。それでも無理にダンスをしていると、痛みを感じる原因となります。そこで私たちは、まずはこれらの部位の癒着をリリースしました。


肩の前・脇の下(小胸筋・腕神経叢)

次に、首の付け根や腕神経叢に焦点を当てました。首の付け根は特に繊細な部位で、食道と星状神経節・頚長筋の間の癒着が痛みを引き起こしやすいのです。また、腕神経叢は脇の下の血管神経で、ここが硬化すると腕の動きが制限され、猫背になってしまいます。猫背になると、背骨全体をそらす動きに制限が生じ,腰や首への負担が増えます。

これらの部位の癒着をリリースすることで、首や腰へのストレスを軽減し、動きのスムーズさを取り戻しました。

腹式呼吸

また、ダンサーのパフォーマンスには、胸郭の可動性が重要な役割を果たします。胸郭が硬くなると、深呼吸が難しくなり、ダンスの表現力や持久力に影響を及ぼすことがあります。胸郭の可動性を改善した上で、彼女には深い腹式呼吸を行い、内臓の癒着を防ぎつつ,胸郭や腹筋群の柔軟性を保つことに取り組んでいきます。

 

まとめ

これらのアスリートケアにより、彼女の可動域は大きく改善し、首と腰の痛みも軽減しました。彼女自身も、トレーニングやパフォーマンスが以前よりもスムーズになったと感じています。

ダンサーたちの体は彼らの芸術の一部であり、その体をケアすることが彼らのパフォーマンスを最大限に引き出す一歩です。そして、そのケアは一度きりのものではなく、継続的なケアが必要です。パフォーマンスを最大限に引き出すためには、日々の練習やパフォーマンスの他に、日々のケアが重要なのです。

ダンサーのためのアスリートケアは、彼らが持つ可能性を最大限に引き出すための重要な練習の一環です。それは、彼らが自身の体を最大限に活用し、その芸術をさらに深めるためのサポートとなります。

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