事故から数十年...もしやあの時の衝撃が原因？慢性疼痛「陰部神経痛」との向き合い方

「あの時の転倒が、今も痛みとして残っている」そう感じることはありませんか？10代や20代の頃の交通事故、スポーツ外傷が原因で、30代、40代になってから股間の鋭い痛みに悩まされるケースは珍しくありません。

陰部神経痛の特徴とメカニズム

陰部神経痛は、骨盤底の神経が圧迫されることで生じる慢性疼痛です。フランスの研究では10万人あたり1.3人の発症率と報告されています（PMID:38548721）。

• 原因：バイクや自転車の転倒、出産時の損傷
• 症状：灼熱感、電撃痛、座位で悪化する痛み
• 好発部位：仙骨・坐骨結合部（Alcock管症候群）

日本ペインクリニック学会の報告（Vol.58）によると、神経周囲の癒着が症状を長期化させる主因とされています。

避けるべき対処法

自己流のケアは症状を悪化させる可能性があります：

• ×テニスボールでの圧迫 - 神経炎症を悪化させる
• ×整体の骨盤矯正 - 医学的根拠のない手技
• ×きついガードル - 圧迫で症状悪化のおそれ

欧州泌尿器学会ガイドライン（2024年版）では、まず専門医の診断が推奨されています。

推奨アプローチ

1. 医療機関で神経ブロックによる診断
2. 筋膜リリースによる神経周辺の癒着除去
3. 座位時の圧力分散（専門クッション使用）

40代男性の症例では、18歳時の転倒事故が原因で、12回の調整で70%の痛み軽減が確認されています。

一般的なケアでは不十分な理由

通常のストレッチやマッサージでは、深部の筋膜癒着までアプローチできません。膀胱機能障害などがある場合は、まず泌尿器科の受診が必要です。