あなたのその"違和感"、前立腺炎かもしれません
「トイレが近くなった」「排尿時にヒリヒリする」「腰のあたりが重だるい」...40代以降の男性なら、一度はこんな悩みを感じたことがあるのではないでしょうか?もしかしたら、それは「前立腺炎(プロステイティス)」が原因かもしれません。決して珍しい症状ではなく、男性の約10人に1人が経験すると言われています。
前立腺炎のサインを見逃さないで
- 排尿時の違和感:灼熱感や刺すような痛み
- 頻尿:特に夜間にトイレに行く回数が増える
- 持続的な不快感:会陰部(陰茎と肛門の間)や腰周りの鈍痛
- その他の症状:射精時の痛み、尿の濁り、発熱など
米国国立衛生研究所(NIH)の調査では、慢性前立腺炎は泌尿器科受診の8%を占め、日常生活の質を低下させる主要因となっています。感染性の場合は抗生物質が有効ですが、多くのケースが原因不明の「慢性非細菌性前立腺炎」です。
参考:NIH公式サイト
まずは専門医の診断を!
似たような症状が出る病気は他にもあるため、必ず泌尿器科専門医の診察を受けましょう。特に以下の場合は早急な受診が必要です:
- 38℃以上の高熱
- 排尿困難(尿が出にくい)
- 腰痛や吐き気を伴う場合
Mayo Clinicによれば、治療法の選択肢は検査結果によって大きく異なります。細菌感染が確認されれば抗菌薬が処方されますが、非細菌性の場合、以下のセルフケアが推奨されています:
参考:Mayo Clinic公式サイト
専門家推奨のセルフケア
- 温熱療法:骨盤部を温めて血流改善(1日20分程度)
- 適度な運動:ウォーキングや水泳など全身を使う運動
- 水分摂取:1日1.5-2Lを目安に(少量ずつこまめに)
- 刺激物制限:カフェイン・アルコール・辛い食べ物は控えめに
- ストレス管理:深呼吸法やリラクゼーションを取り入れる
Urology Care Foundationのガイドラインでは、慢性症状の緩和にはこれらの生活習慣改善が重要だとされています。
参考:Urology Care Foundation
注意すべき対処法
よく聞かれる「骨盤矯正」や自己流マッサージには注意が必要です。医療的根拠がないばかりか、むしろ症状を悪化させるケースもあります。特に以下の方法は避けましょう:
- テニスボールやローラーでの強圧マッサージ
- "骨盤矯正"を謳う無資格者の施術
- 締め付ける下着の着用
もし医師の診断で「特に異常なし」とされても症状が続く場合、組織間の癒着が原因となっている可能性があります。その場合、専門家によるファシアケアが選択肢の一つとなるかもしれません。
前立腺炎のようなデリケートな悩みは一人で抱え込まず、まずは専門医に相談しましょう。早期の適切な対応が、快適な日常生活への第一歩です。