産後の腰痛と肩こり、その真の原因と正しい向き合い方
赤ちゃんを抱っこするたびに腰が痛む、授乳のたびに肩が張る...。産後、こんな悩みを抱えていませんか?実は、80%以上のママが産後の腰痛や肩こりを経験するといわれています。この痛みは「育児のせい」「仕方ない」と我慢していませんか?今日は、産後の体の変化と正しいケア方法をお伝えします。
なぜ産後に痛みが起こるのか?医学的にみた3つの原因
産後の腰痛や肩こりには、明確な医学的理由があります。
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リラキシンによる関節の緩み
妊娠中に分泌されるリラキシンというホルモンは、出産後に最大3ヶ月間も体内に残ります。このホルモンは関節を緩める作用があり、特に骨盤周辺の安定性を低下させます。
参考:NIH研究資料 -
育児姿勢による筋緊張
前かがみの授乳姿勢や片側での抱っこは、肩や腰に大きな負担をかけます。特に腹筋群が弱った状態では、背筋への負荷が2倍以上になるとの研究結果も。
参考:PubMed研究データ -
筋肉と筋膜の癒着
出産時の損傷や育児による過負荷で、筋肉と筋膜が癒着しやすくなります。これが血行不良を引き起こし、慢性的な痛みとなります。
参考:日本リハビリテーション医学会誌
一般的なケアでは改善しない理由
多くの方が試すマッサージやストレッチでは、根本的な改善が見られないことが多いです。なぜでしょうか?
- 自己流のマッサージは表面の筋肉しかアプローチできず、深層の癒着を悪化させる恐れ
- 市販の骨盤ベルトは逆に癒着を促進する可能性
- ボキボキ矯正は関節を不安定にし、長期改善が見込めない
医学的に証明された正しいアプローチ
検査で異常がない場合、以下のステップが推奨されます。
- 専門医の診断(必ず最初に行う)
- ファシアケアによる組織間リリース
- 科学的なエクササイズプログラム
特にファシアケアは、癒着した組織を専門家が手技によって丁寧に剥離することで、身体本来の可動性を取り戻すことが期待できます。
参考:Journal of Orthopaedic & Sports Physical Therapy
我慢しないで。正しい方法で楽になりましょう
産後の痛みは適切なアプローチで改善可能です。まずは医療機関を受診し、検査で異常がないと診断されたら、専門のファシアケアを検討されてみてはいかがでしょうか。