骨盤まわりの不調、もしかして筋膜の癒着が原因かも?専門家が解説
「くしゃみをしたらちょっと漏れちゃった...」「長時間座っていると下腹部が重苦しい」「性交痛が気になる」こんな悩み、実は多くの女性が抱えています。日本排尿機能学会の調査によると、40歳以上の女性の約4人に1人が尿もれを経験しているんです(※1)。
なぜ骨盤まわりの不調は起こる?
従来は「骨盤底筋が弱っているから」と言われてきましたが、最新の研究では筋膜の癒着や神経の誤作動も大きな要因だとわかってきました(※2)。特に産後の女性は、妊娠・出産による筋膜の損傷や姿勢の変化で、骨盤まわりのバランスが崩れやすい状態に。
骨盤まわりの構造は、筋肉・筋膜・神経・骨・リンパが複雑に連動しています。この連動がうまくいかないと、尿もれだけでなく以下のような症状が出ることがあります:
- 頻尿や排尿時の違和感
- 慢性的な腰痛や股関節痛
- 便秘や下腹部の張り
- 性交痛
一般的なケアでは不十分な理由
よく知られているケーゲル運動(骨盤底筋トレーニング)だけでは改善しないケースが多いのはなぜでしょうか?
- 筋膜の癒着が残っていると、筋肉がうまく働かない
- 神経の滑走性が悪いと、脳からの指令が伝わりにくい
- 骨盤の位置異常があると、いくら筋肉を鍛えても効果が半減
国際泌尿器科学会誌の研究では、筋膜リリースを組み合わせた方が、骨盤底筋トレーニング単独よりも尿失禁改善効果が高いことが報告されています(※3)。
より効果的なアプローチとは?
医学的な検査で異常がなかった場合、以下のアプローチが有効です:
- 組織間リリース - 筋肉と筋肉、筋肉と筋膜の間の癒着を解放
- 神経モビライゼーション - 神経の滑走性を改善
- リアライン・コンセプト - 関節の位置関係を最適化
特に産後のケアでは、内臓の位置調整も重要です。妊娠中に押し上げられていた内臓が元の位置に戻る際、周囲の組織と癒着を起こすことが少なくありません。
まずは専門家に相談を
尿もれや骨盤まわりの不調は、一人で悩まずに専門家に相談することが大切です。当社のファシアケアは、医療行為ではなく産前・産後のケアとして、筋膜や関節のバランス調整をサポートします。
ただし、激しい痛みや出血がある場合、または症状が急に悪化した場合は、まず医療機関を受診してください。
骨盤まわりの不調は放っておかず、早めのケアを始めましょう。
専門家に相談する※1 日本排尿機能学会『尿失禁診療ガイドライン』
※2 International Urogynecology Journal 2023
※3 Journal of Bodywork and Movement Therapies 2022