「産後の骨盤底の痛み…ボトックス治療という選択肢」
「出産から半年経つのに、まだ骨盤の奥が重く感じる」「くしゃみをすると尿が漏れてしまう」「夫とのセックスが痛くてつらい」―こんなお悩み、私のクリニックによく寄せられます。実は、産後の女性の3人に1人が何らかの骨盤底機能の変化を経験するという研究データがあります(PMID: 32620845)。あなただけではないのです。
骨盤底筋の痛みの原因とは?
出産時の骨盤底筋へのダメージは、主に2つのタイプに分けられます:
- 筋緊張亢進型:筋肉が過度に緊張した状態が続き、痛みや排尿障害を引き起こす
- 筋力低下型:筋肉が弛緩しすぎて、尿もれや臓器脱の原因となる
ボトックス治療が特に効果を発揮するのは、前者の「筋緊張亢進型」です。過剰な緊張が6ヶ月以上続く場合、ボツリヌス毒素(ボトックス)による治療が考慮されます(PMID: 31628939)。
ボトックス治療の実際
ボトックス注射は以下のような特徴があります:
- 治療時間:15-30分(局部麻酔を使用)
- 効果発現:3-7日後から感じ始め、2週間で最大効果
- 効果持続:平均3-6ヶ月(個人差あり)
- 副作用:一時的な排尿困難(2-3%)、軽度の出血や痛み
2019年の研究では、ボトックス治療を受けた女性の78%が「痛みが50%以上軽減した」と報告しています(PMID: 32805011)。
注意すべき民間療法
次のような方法は逆効果になる可能性があります:
- 自己流で行う骨盤矯正:医学的根拠のない方法では状態を悪化させるリスク
- 強すぎるマッサージ:炎症を増幅させ、癒着を悪化させる恐れ
- 締め付ける骨盤ベルト:血流を阻害し、回復を遅らせる可能性
医学的検査で異常がない場合のアプローチ
病院での検査で特に異常が見つからない場合、筋膜の癒着や全身のバランスの崩れが原因となっている可能性があります。そのような場合に考慮されるのが、専門家による組織間リリースのアプローチです。当社のファシアケアでは:
- 独自のリアライン・コンセプトに基づく評価
- 癒着を解消するための精密なアプローチ
- 日常生活動作を見直す指導
産後の体の変化に悩む方は、まずは専門医の診断を受け、その上で選択肢をご検討ください。